【第1章】『お笑いとの出会い。NSC入学に至った経緯』
——笑っている空間を作り出したと思っていた林少年がNSCに入ったのはなぜ?
高校のときの文化祭でネタみたいな、そういうことをやったんですよ。
その前から人を笑わせるのは好きだったし、僕がなんか言ってまわりが笑ってくれると嬉しかった。
その延長線上で文化祭はやったんです。
——文化祭のネタ見せはどうだったんですか?ウケたんですか?
そりゃあ僕のことを知っている人しかいないので、圧倒的にウケましたよ(笑)
もう、本当にそれはそれは圧倒的なウケ方でした(笑)
そこである種の気持ちよさを感じたのは間違いないですね。
——どんなネタだったんですか?
どんなネタだったんだろ(笑)
あんまり覚えてないですけど、四人組だったんで(笑)
コントだったのは確かだったので、たぶんショートコントを何個かやったんだと思いますよ(笑)
——この人が好きだったとかありますか?
僕、とんねるずさんがめっちゃ好きだったんです。今思えばですけど。
もちろんごっつええ感じとかも見てダウンタウンさんも好きでしたけど。
——それでNSCに入ったんですか?
ただ、お笑いで成立するとは思ってなかったので、高校卒業してからデザイン系の大学に行きました。
お笑いも好きだったけど、絵も好きだったので。でも、絵で飯を食うのもなかなか難しいことですし、それならっていう気持ちもあって、大学を辞めてNSCに入ったんです。
NSCを選んだのは、お笑いやるにはどうしたらいいかなと思ったときに吉本興業しか知らなかった。
【第2章】『NSC時代。そしてかたつむり結成へ』
——NSCに入ってみてどうでした?
めっちゃ楽しかったですよ。
ちゃんと行ってたし、選抜のクラスの中に入ってましたしね。
向こうは中澤の”な”で、僕は林の”は”であいうえお順で近くて。
そういう縁ではじめの集団コントみたいなので、一緒のチームだった。
それが相方と知り合ったきっかけだと。
で、コンビとかのネタ見せが別の授業であるってなった時に、一人でやるのもなんだし、一緒にやろうかと。
ただ、その頃のコンビ名は”マインドコントロール”っていうんですけど(笑)
NSCに入ってすぐに組んだんですけど、結構優秀でした。
ネタの方向性は全然かわってないと思いますよ。
——で、いつかたつむりを結成するんですか?
NSCの卒業公演みたいなのにあいつが遅刻した。それで僕ら、謹慎してたんです。
謹慎が明けてすぐくらいに、作家さんへのネタ見せで「お前ら、まず名前がダメだ」って言われて。
「ならNSC時代に言ってくれよ」って思ったんですけどね(笑)
それが6月だったんで、『6月だからかたつむりでいいか』と名前を付けて。
——意味を込めたわけではないんですか?
そのときは全然なかったですね。でも、後付けなんですけど、かたつむりって調べてみたら、結構いいんですよね。前にしか進めないし、マイナス120℃でも生きていける。
つまり、どんなにスベッても死なないんです!
——かたつむりのネタにおいて特徴ってなんだと思いますか?
うーーーん…難しいですよね。
違うことやんなきゃいけないっていうのはみんなあったと思うし。単純に芸人として。
でも、その方向が行き過ぎてしまって、明らかに間違っているときっていうのは自分でも感じますけどね(笑)
【第3章】『相方に休止を告げられたとき。そこからピン芸人へ』
——かたつむりとして『コンバット』や『あらびき団』などの番組にも出ていたのに、2009年末に相方が活動休止。いきなりピンになったわけですが、そのときの心境は?
僕はもともとNSCに一人で入っているので、一人で売れなきゃって思っていましたから。
コンビであろうが、ピンであろうが、売れる人は売れるだろうと思ってるし。だから、めっちゃ冷たい言い方になってしまうかもしれないけど、章吾から聞いたときは意外と冷静に「しゃーないな」
と思いましたね。ただ、逆の立場だったら、俺はやめてないだろうなとは思いましたけど。
——ピンになってどうでしたか?大変でしたか?
いや、一人はめっちゃ大変ですよ。
もうやらなきゃいけないっていう精神力で乗り越えるしかない。とか言ってますけど、まだ乗り越えられてないんで、なんとも言えないですけどね(笑)
ひとりはツラい…。
ネタをやっているときに虚しさしかないですから。
——ただ、昨年のR-1でよいところまで行かれてますよね?
準決勝まで行かせてもらいましたね。
それまで賞レースみたいなものにそこまで興味がなかったんですよ。
「(俺らは)行けないだろうしな」とどっかで思ってましたし。
だけど、ひとりになってどうしていいのかわからなかったんですよね。
で、誰かに認められなきゃなってなったときに、やっぱりネタなんですよね、芸人って。
そうなったときにR-1頑張ってみようかなと思った。
そうして頑張ったら準決勝までは行けたんです。ただ、問題はその先でしょうから。
だから、今年も頑張ろうと思ってますよ!
——活動休止という形ですが、章吾さんは戻ってくるんでしょうか?
ほんとにもう100%向こう次第なんで。向こうから『戻りたいんだけど』と言われた段階で、僕の状況がどうなっているかでしょうね。
僕がそのときに「いや、いらないよ」というのか、「それならまた一緒にやろう」となるのかは、その時にならないとわからないかもしれない。
【第4章】『かたつむり林にとって”東京シュール5”という存在の持つ意味』
——東京シュール5にも属されていますよね。林さんにとってどういう存在ですか?
僕にとってシュール5はプラスしかない存在。ラッキーパンチに当たったようなもんですからね(笑)
だって、まずメンバーがすごいじゃないですか!
クリエイティブな人しかいない。
影響は受けたくないって言いましたけど、そこから受けた影響は半端ないと思いますよ。
それは自分では気づいてないかもしれないですけど。
——そんな先輩たちとの舞台って緊張はしますか?
今はあんまりしないですね。
僕、舞台ってあんまり緊張しないんですよ。
ただ、最初のころは「どうしよう、カリカさんいるわ!」って思ってましたね。
カリカさんもPOISONさんもテレビで知ってたし、うわーってなりましたけど。犬さんは知らなかったけど(笑)
でも、不思議なんですけど、舞台に立つと緊張しなくなるんですよね。
そこに負けちゃいけないっていう気持ちが大前提でありますから。
——シュール5での林さんの求められている役割ってなんだと思いますか?
あぁー難しいなぁ。
今、しずるさんも戻ってきちゃってますからね〜。
そういう意味では僕なんていなくてもいいんですよ。
もともと入ってないメンバーだし。難しいよなぁ…役割ね。
求められているかは分かんないですけど、僕の中ではなるべく”場をかきまわそう”とは思ってますね。
やっぱり一番後輩なんで。ただそんな存在なくても成立しちゃうかもしれないんですけど。
でも好きなことをやらせてもらっているなという気持ちはあります。逆に。
シュールっていう言葉がすべてを片付けてくれるんで!
シュール5のメンバーはみんな言ってますけどね(笑)
【終章】『この先、かたつむり林が目指すもの』
——前回は東京シュール5の話題だったわけですが、シュール5に属する反面、”THIS IS ポップ”なKABUTOにも属されてます。そして、ピン芸人の集まりでもある劇団オコチャにも入っていて。本当に様々なユニットに入ってますよね?
いや、すごいんですよ、僕、たぶん(笑)
KABUTOとシュール5って対極みたいな感じですけど、どっちも入ってますからね。
たぶん、自分で分析すると、ひとりになって「こいつ、かわいそうだな」という思いが芸人の中にあったんだと思うんですよね。
吉本って先輩と後輩とのつながりってありますからね。
そういうので最初は呼んでもらってたんだけど、そこで『こいつ意外と使えるな』ってなったんじゃないですかね(笑)
——様々な方と絡んでいると思いますが、尊敬している先輩やピンになった時にすごく励ましてくれた先輩などはいますか?
うーん。本当にみなさんを尊敬してますし、お世話になってますね。
逆の言い方をすれば、しんちゃん以外のすべての先輩ですかね。
しんちゃんだけは尊敬してません!しんちゃんは圧倒的クズ!人の果てですから(笑)
それだけです。以上、おしまい!
ただ、そこがしんちゃんの魅力でもありますけどね。
——ハハハ。では、最後に、かたつむり林として今後目指す道は?
やりたいことは、やっぱり『美男(イケメン)ですね。』のメンバーに入ることですかね。
(と言って一人で笑い出す)
——…お笑いの面ではどうですか?
そうですねぇ…。
僕の最終目標は高田純次さん、ですかね。
高田純次さんは芸人になる前からめっちゃ好きでしたからね。
でも、目指すことなんて結局は売れたいってことに尽きますね。
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